純過酸化水素水の直接合成法の開拓
 過酸化水素は現在アントラキノン法で製造されています.アントラキノン法はエネルギーコストが高く,水素と酸素から直接過酸化水素を合成する方法が切望されており,Pd-Au触媒の研究が世界中で行われています.
 山中研究室ではこれらとは一線を画し,新反応法として燃料電池反応法を開発しました.燃料電池を利用すれば酸素と水素が混じり合うことなく物理的に分離された状態で反応し,安全に過酸化水素の直接合成が可能であると考え,これを実現しました.燃料電池反応器の開発,かつ新規コバルト-窒素-炭素化合物触媒を開発し,高速・高選択的に20 wt%の高濃度中性過酸化水素水の直接合成に成功し,世界を震撼させています.